気持ちのいい朝に
いつもの朝
ほぼ満員の通勤電車へ乗り込むと、席に かろうじて座ることが出来た
「やれやれ、終点までひと眠りしよう」
そう思っていたら、普段は見かけない老夫婦が僕と同じ駅で後から乗ってきた
おじいさんは座れたが、おばあさんは空いた席が無い
満員の中、空いてる席を うろうろと探しているおばあさん
これは見て見ぬふり出来ない
とっさに立ち上がり、おばあさんへ僕の座っていた席を譲った
お礼を言う老夫婦
「朝から良いことしたなー、気分がいい」
と思っていたら発車のタイミングで電車がガタンと揺れた
その瞬間、隣に立っていた人が革靴で僕の足先を踏んだ
「ぎゃー! いいことしたのに、何の仕打ちやー」