暗闇を走り抜ける
訃報が入って来たのは昨晩のこと
今夜は幼い頃からお世話になっていたおばさんのお通夜だった
仕事から戻り、すぐに喪服へ着替えて出掛けた
今でも僕の名前を親しく呼ぶおばさんの声は耳に残っている
笑顔で話しかけてくる表情は目に焼き付いている
夜、そんな様子を思い浮かべながらお通夜の会場へ車を走らせていた
訃報が入って来たのは昨晩のこと
今夜は幼い頃からお世話になっていたおばさんのお通夜だった
仕事から戻り、すぐに喪服へ着替えて出掛けた
今でも僕の名前を親しく呼ぶおばさんの声は耳に残っている
笑顔で話しかけてくる表情は目に焼き付いている
夜、そんな様子を思い浮かべながらお通夜の会場へ車を走らせていた
市電での移動中、吊り革に掴まっていた
目の前に座っている渋く枯れたおじさんが、僕に手招きをするような仕草
僕は、「気のせい? 知らん人だし」と思い気にせず、そのまま
しかし暫く経って再度、手招きをしてくる
再び、「?」
今度は鞄を持っている僕の左手を指差し、
「蚊が止まってますよ」と声を掛けてきた
左手の甲を見てみたら、蚊が血をぐんぐん吸ってる最中であった
仕事柄、1ヶ月に数回缶ビールを飲んではいけない日がある
そんな日は勤務先から真っすぐ自宅へ帰り、温泉へ出掛けることも許されない
昨日は休日だったが、その日に該当した
今夜は早めに仕事を終え、某カヘにも寄らず自宅へ戻った
目的はただひとつ
早く温泉へ入って、風呂上がりのビールが飲みたい
温泉では うまいビールを飲むために熱い湯船に長時間浸かる
肩までどころか耳が浸かりそうなラインまでギリギリ深く入る
体が茹でダコになりそうなほど、長い時間浸かる
湯船から上がると頭が少しクラクラする
案外僕はドMなのかもしれない
僕はよくマイナス的な考えに陥る
マイナスな感情につかまれる
その状況は苦しい
少しでも楽になろうと或る特定の女性に吐き出す
それを聞いたその人は
「そんなことは無い」
とすぐに否定してくれ、僕は救われる
安らかな気持ちでまた生活を続けられる
行きつけの散髪屋で髪を切ってもらう
店主のオヤジは仕事に集中し、相変わらず無口でチョキチョキ
切ってもらっている途中で、店主の足が僕の腕にぴったりと当たった
腕を動かした方が散髪の邪魔にならないだろう
いや、待てよ
当たっている腕を僕が動かしたらオヤジさんは「自分は嫌われている」と思うのでは
でも散髪している姿勢がちょっと斜めになっている
やっぱり散髪しずらいのかもしれん
うーん、どうしたら良いだろう
腕は固まったままで動かせない
それにしてもオヤジさんの足は生温かくてちょっと気持ち悪い
そんなことをぐるぐる考えているうちに散髪は終わってしまった
或る記事に依れば横を向いて寝ると、ほうれい線が出来やすいらしい
ほうれい線とは顔の弛みの線
あれがあると 極端に老けて見える
こりゃ、いかーん!
仰向けに寝るようにしてみた
仰向けを意識して寝た翌朝は、後頭部に まっ平らな寝癖
見事な絶壁の頭になっていた
普段からチョコを チョコチョコ自分で買って食べている
しかし過去のバレンタインに貰った記憶は ほんのチョコっとだ
学生の頃、工業系にいた僕はクラスには男しかおらず、女子と出会うことは無かった
それでもバレンタインには少なからず期待していた
放課後に学校を出た後とか、自宅の最寄りの駅に着いた後とか
しかしそんな期待は毎年空振りに終わった
今考えてみれば、ジャニーズ系の顔立ちでもあるまいし
何もしないのに向こうから貰える筈が無いと今では当然に思う
そして社会人になってからは義理チョコをもらう
ここでも男ばかりの職場で事務のお姉さんが男どもに昔からの慣習で仕方なく配っている
それが見え見えだったので、申し訳無いけれど、もらう方の僕も気まずかった
僕自身もそんなチョコはお返しが面倒くさかった
バレンタインに意中の女性からチョコをもらう
僕の場合、それは種を蒔かない事には芽は出ない
と言うことだろう
でも現在はチョコが目当てで動いているのでは無いけれども
某水族館近くの川では調教師の合図でジャンプするイルカ
その度にイルカは人間たちから拍手をもらっている
一方、川の横の歩道では ちやほやされているイルカに興味を示さず、
人間たちが好意的に近寄って来ても全く媚を売らず、
自分の思うまま、自由気ままに生きる猫
何事にも右されず我が道を行く
そんな生き方を見習いたい
インフルエンザから復活したものの、再び寝込んでしまった
高熱が出て、体もだるい
またインフルエンザにかかったのかと病院で検査してみたら普通の風邪
暫くおとなしく過ごす
今回は下痢が続き、脱水症状な毎日である
それにしても自宅で じっとしているというのは感性が鈍る
仕事でばたばたするのも嫌いだが、部屋に閉じこもるのも実は苦手かもしれん
自分の中から声が何も聞こえてこない