アイツらも春を待っていた
先日、僕は或る情報を得た。
某神社に大きなイチョーの木が2本、祀られているという。
僕はそのイチョーの木達に会いたくなった。

国道10号線を東に向かって走る。
キンコー湾の海岸線に沿って、国道10号線は流れている。
普段ならば、国道10号線からは
雄大な桜島が見えるのだが、この日は雨で全く見えない。

僕は冬の雨の中、某神社へ到着した。
肝心のイチョーの木のそばへ近づいてみた。

しかし、イチョーの木達から メッセージは何も聞こえてこない。
どうやら、厳しい冬が通り過ぎるのを待っているらしい。
春が来るまで 黙りこんでるつもりらしい。

境内を歩いてみれば、足元に生えていたオオバコ達が近寄って来た。
オオバコ達も イチョーの木達と同様に冬の寒さに凍え、雨にも耐えている。
しかもオオバコ達は、祀られる事も無く、無造作に参拝客に踏まれてしまう。
でもそんなことでオオバコは枯れたりしない。

それどころか、コイツらは ヘーキな顔をしている。
踏まれても踏まれても また立ち上がるチカラ強さ。

オオバコ達も春を待っていた。
春に花を咲かせる準備をしていた。

春になったら もう一度この神社へ来てみたい。と思った。
オオバコ達の咲かせた花とイチョーの木の新緑を見てみたい。と思った。
その時に改めて、コイツらのメッセージを聞いてみたい。
