キャンドルナイト
「申し訳ありませんが、今夜は照明を少し落とします」
午後8時。
店内は普段よりも薄暗い。
会話をするだけなら問題ないけど、普段の明るさに慣れている僕は本を
読むのをやめてしまった。
某カフェでひとり、コーヒーを飲みながらゆったりと過ごす。
外に出てみれば某カフェの入っているショッピングセンターの屋外照明も
ほとんど消されていた。
しかもその夜は雨雲が立ちこめており月も出ていない。
暗い不気味な夜。
生ぬるい湿気を帯びた、僅かに潮の臭いのする空気がべっとりと体に
まとわりつく。
雨も近い。
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