夏休みの焼きナス
この前、カミさんへ焼きナスを作ってくれるよう御願いした。
夏場、冷蔵庫でヒ~ンヤリ冷やした焼きナスに鰹節をパラパラッとかけ、
その上に醤油をタラリと垂らす。
そして、その冷たい焼きナスをツルッと食べるのはとても美味しい。
夏ならではの食べ物。
しかし、焼きナスを好きになったのはここ数年のことだ。
子供頃は何故大人達は喜んで食べるのか、こんな味気ない食べ物が何故
うまいのか全く理解できず 母親がご飯で出す度に「え~っ、また焼きナス?」
という気持ちだった。
私が小学生の頃、夏休みの昼ご飯定番メニューと言えば この焼きナスで
押坂 忍のベルトクイズQ&Qを見ながら よく食べていた記憶がある。
ナスに限らず、子供の頃から野菜はよく食べさせられていた。
(子供の頃 あまり野菜は好きではなかった。)
母親の実家は農家で鹿児島市内の吉野という高台にあり、その中でも更に
奥の方にある。
家の裏は竹藪で鬱蒼とし昼間でも薄暗いし、目の前には畑が広がっている。
現在は自分の車で年に数回行くのだけれど、今でも行く度に叔父が
「(畑で獲れた野菜を)もって行け、もって行け」と車に積みきれないほどの
野菜をワンサカくれる。
そんな感じで 子供の頃から野菜には不自由しなかった。
夏休みと言われて連想するのはラジオ体操に朝顔、セミ獲りに捕虫網、
昼寝に蚊取り線香だったが、私にはこの焼きナスも欠かせない物なのだ。
今ではパスタとかスタバのケーキとかハイカラな食べ物に明け暮れている
けれど(それはそれでウマイのだけれど)子供の頃に慣れ親しんだ
食べ物というのは大人になっても忘れない物らしい。