カナブンに乗って 海を渡る
寒い日が続いている
僕は寒いの、大嫌い
あまりの寒さに或る事を思い付き、或る友人を呼び出した
そいつは蛍光灯の明かりに誘われ、僕の部屋のガラス窓を叩く、あのカナブン
カナ : 何の用事よ? こん寒か時に!!
僕 : あのさー、南の島に乗せて行ってくれんけー?
カナ : アホか! そんなモン断る!
僕 : そんなこと言わないでさー
カナ : ・・・。
僕が夏場、ガラス窓を開け、部屋に入れてやっていたので
カナブンは それを思い出してくれたらしい
仕方なく了解してくれた
カナブンの背中、緑色のテカテカとした固い背中にまたがる
ちょっと冷たい
カナブンは夜を通して飛ぶ
海を渡る
海の真ん中で道に迷ったならば、夜空の星に聞けばいい
星は何でも知っている
かくして僕とカナブンの旅は始まった
続く。(かもしれない)