電車の中で。(その2)
今度は 鹿児島市内を走る市電でのお話。
市電も朝は ラッシュアワーで いつも混んでいる。
或る日の事。
混んでる車内で、座席に浅く座り、足を大きく組んで
態度が デカく座ってる若いチャラチャラした
兄ちゃんがいた。
混んでる車内である。
我がもの顔で 大きく場所を取り、明らかに迷惑である。
僕はモラルやルールを無視した行為をする人間が
許せない。
そして、そう言う人間を見かけると怒りが、こみ上げてくる。
正義感が異常に強い。
僕は勇気を振り絞り、その兄ちゃんへ 大きな声で、
「おい! 足が邪魔だろ! 引っ込めろ!」と、怒鳴りつけた。
と言うのは嘘で、勇気が無かったので、何も言わなかった。
しかし、このままでは 僕の気持ちが収まらない。
僕は ある事を思いついた。
市電は、走りながら よく左右に大きく揺れる。
それを利用する事にした。
僕は 僕が降りる電停が近付いた時に 立ちあがり、
その兄ちゃんの前を通る瞬間、
市電がグラリと揺れたタイミングを見計らって、
僕の手持ち鞄を その兄ちゃんの邪魔な足へ わざと
ぶつけてやった。
しかし、その行為は 「電車が揺れたから 偶然に当った」と
言う風に あくまで さりげなく。
僕は そのまま、目的の電停でサラリと下車。
残された兄ちゃんは 僕に足を崩され、あっけに取られていた。
僕の計画は、大成功。
あー、いい気分。
うひひ。
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