香りを打ち消す風
コーヒーを飲む時って味よりも香りを楽しんでる。
口にコーヒーを含む 少し手前で手を止めて香りをくんくん。
なので、コーヒーを注ぐカップは口の広いマグカップに限る。 ( ̄∇ ̄d)
ふたが付いたまま飲めるカップ(紙コップ)があるけど、
それでは香りを充分に楽しめない。
いつものカフェでお気に入りの席に座る。
文庫本を両手で持ったまま両腕をテーブルの上に置き、腕と腕の中間に
マグカップを置く。
すると姿勢は 前かがみになり丁度マグカップの真上に鼻が来る。
ふんわりと立ち上るコーヒーの香りが鼻をくすぐる。
腕もラクチン。
いい体勢だ。
しかし、ある日 事件は起きた。
いつものように、いつもの席でコーヒーを飲む僕。
その席の前を ツカツカと右から左へ足早に歩く女性。
その女性が通った後に すっと風が押し寄せてきた。
香水のニオイと共に。
ニオイの付いた どぎつい風はコーヒーの香りを見事に打ち消し、鼻を直撃。
クラクラする思いだった。
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