梅雨の時期に TO YOU。
「あ~ぁ、またかー。」
その日 カミさんの気持ちは複雑だった。
必ず来るとわかっていても 出来れば来て欲しくないものが
あるらしい。
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雨上がりの昼下がり。
梅雨まっただ中で気圧が低いせいか 私の気分は平行線。
車でひとり、買い物に出かけた。
私は運転をしている時、車に乗っている。
ふと前を見てみたら 午前中降っていた雨のしずくがフロント
ガラスに残ってた。
そのしずく達は久しぶりに出た太陽の陽を浴びると それはまるで
小さなスワロフスキーを散りばめたように キラキラと輝いて綺麗だった。
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目的の店に到着し、花を買おうとした。
しかし、花を買う機会なんぞ、滅多に無ければ知識も無い。
店内には既に作ってある花束が幾つかあったので その中で、一番
明るい色の花を選んだ。
駐車場まで少し距離があり、帰る時 花を持ったまま歩くのは何だか
照れくさかった。
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この日はカミさんのバースデー。
誕生日が来ると年齢がまたひとつ増えるので 最近はあまり
楽しみでは無いらしいのだ。
買ってきた花を手渡してみたら少しだけ機嫌が直った。ような気がした。
夜はカミさんの好きな焼酎で乾杯したのだった。
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