たぎったお湯
僕が通い続ける某散髪屋では 毎回、或るサービスがある
髪の毛を染める時の待ち時間にサービスでお茶が出る
それはホットのインスタントコーヒー
真夏だろうが、真冬だろうが、必ずホットコーヒーが出る
先程沸いたばかりであろう、たぎったお湯を注いだインスタントコーヒー
猫舌な僕は熱くて飲めない
しかし出されたら、飲まねばならぬだろう
それが礼儀だ
しかも髪の毛に染料が染みるまでの僅かな時間に飲まねばならぬ
カネを払って罰ゲームを受けるのか、ぐぐぐ
そんな僕の苦痛が散髪屋の店主に届いたのか、今回はホットコーヒーが出なかった
数十年通い詰め、初めて冷たい麦茶が出されたのだ
ガラスのグラスに注がれた涼しげな麦茶は、すんなりと喉を通って行った
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